沖縄ガチャポン

子供達のお土産に、沖縄ガチャポンを3つ買って帰ってきた。

三男、ソーキそば、次男、ソーキそばと続き、まさかのソーキそば2連ちゃんに絶望的な気持ちになるが、長男がBEGINを当ててくれた。本当は具志堅用高が欲しかったんだけど、BEGINは大満足。(ちなみに、つられて買った有能な部下は、激レアキャラの黄金の具志堅用高を引き当てたとのこと。・・・。)

この人達、誰?

せっかくだから、iTunesで「島人ぬ宝」を買って、聞かせている。子供達の反応がとてもよかったので、THE BOOM島唄も買った。

 

この歌はね、戦争の歌なんだよ。

へ〜

沖縄はね、爆弾を落っことされた訳ではなく、日本で唯一、地上戦があった所なんだよ。

へ〜

兵隊がいなくてね、少女もかりだされて戦ったんだよ。

助けは来なかったの?

助けは、・・・来なかった。

 

話していて泣きそうになった。宮沢さんが泣きそうな顔で歌っている絵が浮かぶ。実は最近まで、恋愛の歌だと思っていた。

 


「島唄」首里城 宮沢和史 沖縄唄者 6月23日 沖縄慰霊の日

 

ガチャポンのソーキそばを見ていたら、ソーキそばが無性に食いたくなった。今日は、ソーキがわりにチャーシューを使って、ソーキそばを作って食べよう。

 

 

スイートホーム・コザ

沖縄に出張してきました。

仕事を早々と切り上げた。さあ、街歩きと洒落こもうじゃないか。たまたまロック好きな帰国子女の部下と、スマホで「沖縄 (スペース)ロック」で検索して、たまたまヒットした”コザ”という街。即決して車で向かう。車は、たまたま入ったレンタカー屋のお姉さんが「なんと、お客様、車が青い車なんですよ!」とアッパー気味に薦めてくれたので、その勢いに負けてチョイスした青い車だ。沖縄では、青い車って珍しいのかな?それとも、お姉さんがスピッツ好きだったのかな?そんな青い車に乗り込んで、「コザ・ロックシティ!」と叫び声を上げ、さあ出発だ。

車内でチューニングした米軍基地がやってるラジオから、レッチリのアンダー・ザ・ブリッジが流れてきて、部下と世代を超えて盛り上がる。「この曲の、らった・てぃっ・たってぇって所さあ、これって沖縄っぽい響きだよね」

「はい?」

「らった・てぃった・てぇだよ。沖縄の方言みたいだよね」

「(笑)いやあれは、like I did that dayって言ってるんすよ」

 「ああ?なんて?俺、ずっとアンソニーの造語だと思ってたわ」

「(笑)」

「ところで、お前、チンコに靴下かぶせた事ある?」

などといった下らないやりとりを車内でしているうちに、コザに到着。

ネットで見た通りの雰囲気のある街並みではある。だけど、なんだか寂しげな空気が充満している。見た目ボブ・マーリーみたいなオッさんがやってる立体駐車場に停める。 というか、なぜか吸い込まれるようにそこに車を入れてしまう。「カギ、つけっぱなしにしといて」とぶっきらぼうに言われ、めちゃくちゃ心配になる。おい、沖縄じゃ青い車が人気みたいだけど、盗難大丈夫かな?

コザの街を歩く。人がいない。とにかく人がいない。若者がいない。アーケードの商店街を歩く。誰もいない。猫とはもう三匹目とすれ違っているってのによお。後から聞くと、コザの街が盛り上がるのは金曜日と土曜日らしく、我々が訪れた月曜日は、街が1番静かになる曜日との事。そんなこと、知らねえよ。早く言ってくれよ。

有能な部下の提案で、コザ観光協会へと向かう。有能な部下が、「どこかでライブやってないですか?」と観光協会の方に聞いてくれた。

「7時から、そこで演奏しますよ」

と通りを指差す。どこにでもある普通の通りだ。

「ここで、ですか?」

「ここで、です」

 時計の針は、まだ5時。青い車を停めた駐車場が22時までだった。この時点で、コザに腰を据える事で部下と覚悟を決め、青い車を引き取りに行く。もしかしたらボブ・マーリーは、もうすでに車と共にいなくなってるかもしれないぞという我々の心配をよそに、ボブはタバコを薫せて、そこにいた。ピースサインを出してみる。反応は無い。車を別の駐車場に移動し、軽く一杯飲る事にする。

ピンクネオンが眩しいスポーツバーに入る。お客さんは、中年のカップル1組のみ。とりあえずオリオンビールで乾杯。4杯目のオリオンが尽きる頃、時計は6時50分を回る。そろそろ行くかと腰を上げると、若い女性だけの4人組が店に入ってきた。チラチラこっちを見てる。イケメンの部下と顔を見合わせるが、縁が無かったなと肩をすくめ、ライブ会場へと向かう。

コザ ・ミュージックタウンの近くのピザ屋さんの前の交差点が、ライブ会場だ。すでにドラムセットと、移動式に改造されたピアノが置いてある。ピザ屋さんの前に置かれたテーブルに腰をおろす。ギターを担いだ男性が近づいてきて話しかけてくれた。

「どこから来たんですか?」

茨城県です」

「遠くからありがとうございます」

「ライブやっててくれて、救われましたわ」

「(笑)残念ながらピアノが急遽来れなくなっちゃいまして、代わりに僕が頑張って弾くので、許して下さいね」

許すも何も、こっちは今夜ライブをやってくれるってだけで、感謝の気持ちしかない。

ライブが始まる。観客は我々2人だけだ。なんて贅沢なんだ。誰もいない平日の夜、どこにでもあるような交差点で見るライブに、不思議な感覚と妙な興奮を覚える。我が街だと、誰かに見られたら恥ずかしいな・・・なんて状況であろうけど、旅先である事と酔いも手伝い、少しも恥ずかしくない。大声でイェーと叫ぶ。交差点に響き渡る俺の叫び。気持ちいい。

バンドは、アコースティックギター(女性)、ピアノ、ベース、ドラムのカルテット構成。ギターの女性とピアノの彼は姉弟で、2人がボーカルをとれる。ジャンルは、ジャズ&ブルースといった雰囲気で、めちゃくちゃ俺好みの音だ。酒がすすむ。来てよかった!コザ!

ピアノを弾いていた彼が、本職であろうギターに持ち替え、クラプトンのアンプラグドにも入ってるbefore you accuse meを演奏してくれた。よい!さらにビールが進んでしまう。

ライブは、顔なじみであろう観客の飛び入り参加もあり、ゆる〜く進む。あっという間に最後の曲が終わる。物足りなくて、アンコールを要求する俺。心よく演奏してくれるバンド。まだ物足りなくて、更にアンコールを求める俺。流石に苦笑いのバンド。クラプトンもう一回演って!と言うと、じゃあ、最後に違う曲をと、nobody knows youを演ってくれた。染みた。

曲が終わった後に長い拍手をしていると、ギターのお姉さんが近づいてきて、せっかくの出会いを記念してとニッコリ笑い、キャロル・キングのyou've got a friendを超至近距離で弾き語ってくれた。クローズ・ユア・アイズって歌詞の所から、僕はずっと目を瞑ってしまったけれど、決して恥ずかしかった訳じゃない。あの時、コザの街でおきた奇跡に感謝していたんだ。

 スイートホーム・コザ、ありがとう。また行けるかな?行きたいな。いつの日か。

ある日の朝

我が家には、朝起きた順番にレコードの片面をかけられるといったルールがある。いつも私は、洗濯やら弁当作りやらで朝の5時起き。だから、我が家の朝はアビーロードのB面から始まる。

 

5時半。部活の朝練で長男が起きてくる。「あ〜、またファッキン・ビートルズかよ。たまにはキンクスとか聴きてぇよ」ブツクサ言ってるけれど、そんな意見はいつも無視。ブツクサ言いながら、長男は、ヴァン・ヘイレンの赤ちゃんがタバコ吸ってるジャケットのアルバムを待機させる。これから、私にとっては地獄の時間が始まる。


曲がパナマに差し掛かる頃、次男が起きてくる。「パーナ・マ」とうたいながら、2人でハイタッチをするのが、彼ら流の挨拶だ。次男がいつもセットするのは、クラッシュの白い暴動。
「俺さ、ミック・ジョーンズとジョー・ストラマーの声がどっちかわかんなくてさ。お前、どうやって聴き分けてるの?」
「え?なんだろ?勘?」
「なんだよ勘って。じゃあ、ジョン・レノンポール・マッカートニーはどうやって聴き分けてる?」
「カッコイイ曲がジョン、軟弱な曲がポール」
「ハハ。じゃあ、クイズね。・・・カム・トゥギャザーはどっちだ?」
「ジョン」
「イエスタデイは?」
「ポール」
「ハッピネス・イズ・ア・ウォームガンは?」
「ジョン」
「オブラディ・オブラダは?」
「ポール」
「あら、ちょっと待って。あなた達の選曲のセンスに物凄い悪意を感じるわね。じゃあ、オール・ユー・ニード・イズ・ラブは?」
「ああ・・・」
「じゃあ、 ヘルター・スケルターは?」
「ああ・・・」

「ほら、みなさい」

「いや、やっぱり俺の中でジョンっつったらジョン・ライドンだからさ。そんでポールっつったらポール・シムノンだから。兄貴は?」
「俺?ジョン・ポール・ジョーンズ
「すげえ、二人入ってんじゃん。でも俺、ジョーンズっつったらミックジョーンズなんだよな」
「ハハハ。じゃあ、ジョージの声ってわかる?」
ジョージか…。難しいな」
「じゃあ、ちょうどここにレコード出してあるから、これ聴いて確認してみるか。母さん、このヒア・カム・ザ・サンって確かジョージだよね」
「そうよ」

思いがけずアビーロードがまた聴けるなんて!朝からニヤニヤが止まらないわ。

今夜、ハードロック・カフェにて

「久しぶりだね、ハードロック来るの」

「あ〜。ずっと、はてな今週のお題「鳥」って勘違いしてまして」

「鳥?」

「いや、忘れて下さい」

「後輩君はさ、運転してる時に割り込みしてくる車、どうしてる?」

「死んでも入れさせません」

「(笑)いるんだよな〜、そういう奴。俺はさ、殆ど入れてあげちゃうのよ」

「やっぱ先輩、ビック・ハートっすね」

「俺、穴とかスキマは入れるのも入れられるのも好きだからさ」

「なんの話ですか?」

「でね、むこうはサンキューってやってくるじゃない」

「あ〜、ハザードランプを点滅させるやつですね」

「そう。あれさ、なんか気恥ずかしいよね」

「あ〜。嫌いって人多いですよね」

「いや、俺は嫌いじゃないよ。むしろ大好きなんだよ。だけどさ、こっちもなんか返したいじゃん」

「え?」

「どういたしまして!的なやつ。かといってハザードつけるわけにいかないしさ」

「まあ、そうすね」

「でね、俺、考えたんだよ。あれにアンサーする方法」

「はあ。どうするんですか?」

「親指を立てて、相手に突き出す」

「え?」

「グーッてやつ」

「それ、ダサくないすか?しかも相手側、それ見えないでしょ」

「見えない可能性の方が高いからいいんだよ。でも、見えたら嬉しいだろ?」

「いや・・・どうだろう」

「あ!リスペクタブル・ストリートかかった!」

「いつの間にリクエストしてたんすか!しかもまた、店の客も店員も全員知らない曲じゃないすか!」

「いいんだよ。知らない可能性が高い所に、ロマンがあるんだな」

「・・・恥ずかしいから、親指立てないで下さい」

ブラックバード

夕暮れ時、たまに大量の鳥の存在に気づいてハッとする時、ありませんか。木や送電線にびっしりとたかる鳥の群れ。まるで、あの有名な監督のあの映画のようではないか。鳥!40代後半より上の世代の方達は、怖い字体で書かれた「鳥」の文字バックに、淀川長治のこれまた怖い顔と震えた声によるオドロオドロしい前説がフラッシュバックして、とてつもない恐怖感を覚えるはずである。

都会で群れをなしている鳥は、いわゆる害鳥ってやつらだ。人間による森林伐採などの開発で、住処&エサを失った野生の鳥達が、都会に新たな生活の場を求めて移鳥してきたのだ。今、俺の頭の中では、ロバート・プラントの「アアア〜〜・ア 、アアア〜〜・ア」って叫び声が、何千匹もの鳥達の羽ばたきに合わせて何度も何度も再生されている。鳥達は、ロバート・プラントの絶叫に乗せて、フンや騒音を撒き散らし、街に甚大な被害をもたらす。まあ、当然のツケだわな。

 

とある自治体で、永年悩まされていた害鳥被害に対する対策費が、鷹匠に依頼する事で安価で解決したというニュースを目にした。でもこれって、害鳥が他の街に移動したってだけで、根本的な解決に繋がっていないのでは?と思う。じゃあ、どうすればいいんだよ?

個人的には、鳥を受け入れるしかないと思う。鳥の大群を引き受け、生活環境を作ってやる。フン害?掃除しましょう!騒音?そのうち慣れるさ!

と見せかけて、毒餌などにより裏で少しづつ鳥を間引いていく。いつの間にか、鳥はいなくなっている。皆、鳥の事は忘れる。

それがお前らのやり方か?

そういえば、最近、移民のニュースも聞かないな・・・。

 

 

鷹が好きだ。鷹匠になりたくて、弟子入りした。だが、そう甘いものではなかった。鷹が自分に慣れてくれないのだ。腕にとまってもくれない。

「あんた、むいてないな」

無口な匠が口を開いた。

「なぜですか?自分はこんなに鷹を愛しているのに」

「いくらあんたが好きでも、鷹の方があんたを認めねぇ。本能があんたを拒否してる」

「本能?」

「ああ。気難しい信長号、慎重な家康号は仕方ないとして、比較的寛容な秀吉号まで、あんたを嫌っちまってる」

「匠、だいたいなんで鷹に天下取った武将の名前つけてるんですか?もっと従順な武将がいるじゃないですか。島左近とか、加藤清正とか」

「うるさい、うちの鷹は代々この名前なんだよ」

頭にきた。こうなりゃ、強行手段だ。次の日から、ポケットに物凄い高い高級肉を忍ばせ、鷹にこっそりと与えてやる事にした。すぐに、鷹は私の腕にとまるようになった。私の急速な成長に、匠は不思議がった。ザマアミロ。こいつら、所詮は畜生よ。

ある日、いつものように自治体から害鳥駆除の依頼が舞い込んだ。匠はインフルエンザで体調を崩しており、私が出かける事になった。よし!デビュー戦だ。大丈夫だ、いまや鷹は、私にすっかり懐いている。

車で現場につくと、いるいる。鳥の大群だ。よし、一発ガツンとかましてやるぜ。籠から鷹を出し、腕にとまらせる。「セイヤー」の掛け声と共に、鷹を飛び立たせる。勢いよく飛び出した鷹は、害鳥の群れ目掛けて一直線に突っ込んでいく。単騎特攻だ。この際、(これは私流の指示なのだが、)「ぶっこめぇ〜」と力の限り叫び、鷹を鼓舞する。害鳥は、鷹の突然の襲撃を受けてパニックに陥る。パニックは他の鳥にも伝播し、蜂の巣を突ついたような大騒ぎだ。私は、この様子を見るのが好きだ。いつも心の底から笑いの衝動が吹き上がり、その衝動に身を任せて大爆笑してしまう。

と、鷹が突然トンボを切り、私を目掛けて急降下してきた。なに?鷹は、私の目を目掛けて猛スピードで迫ってきた。ガツっ!鷹の鋭いクチバシが、目を庇った私のこめかみの部分を鈍くえぐった。痛ぇ。手で抑えると、ビチャビチャの液体がびったりと手についた。血だ。

「裏切ったな!秀吉め!」

思わず叫ぶ。と、さっきまで散り散りに逃げまどっていた害鳥が一気に集団となり、私を目掛けて急降下してきた。

 

バーーン

 

一発の銃声により、鳥達はまた散り散りになって逃げた。

助かった。

逃げた鳥の群れの中に、なぜか一羽の九官鳥が混ざっていた。九官鳥は私の近くの木にとまり、掠れた声でこう言った。

「ファッキン・ジャップくらいわかるんだよ、コノヤロー」