ジョー

小学校に入学したばかりの三男が、登校拒否気味だ。毎朝、「頭が痛い」だの「腹が痛い」だの「今すぐ体温計で熱を測れ」だの、こちらに訴えてくる。 次男「おい、1年生が小学校で1番楽しい時期なんだぞ。今が楽しくないと、この先は、地獄しか待ってないぞ」…

ラスト・グッバイ

困った事に俺達は、京都と東京で離ればなれさ。だから、長距離電話で定期的に情報交換をしていたんだ。話題の中心はいつも、映画と音楽の話だった。「今度、レザボアドッグスっていうもの凄い映画が公開されるぜ。渋谷でだけどな」って教えてくれたのは、悔…

今夜、ハードロック・カフェにて

「先輩、そろそろ平成も終わりですね」 「だな」 「この30年、色々ありましたね」 「俺はあんまり無かったけど」 「無きゃおかしいでしょ」 「いや、いい事一個も無かった。ずっとずっと低空飛行だ」 「そんな事言わないで下さいよ。洋楽に関しては、輸入盤…

少年団と中年団

下の息子がずっとずっとず〜っとサッカーを習いたいと言っていたので、重い腰を上げて少年団に入団する。団は、まあ予想通りだったが、すこぶる親としての居心地が悪い。3分で帰りたくなる。やはりサッカー好きの父親が多く、全員が練習に親子で参加している…

サーチ&デストロイ的な彼氏

バイト先でいい感じになった女子から、「芸大の学祭に行かへん?」と誘われる。もちろん2つ返事でOK。しかし、こっちがOKした後に「私のカレシがその芸大にいる」とぶっ放しやがった。あ、やっぱコイツカレシいるんだという軽い喪失感と、だったらなんであ…

ボツ

実は、ずっと書き溜めていた小説のようなもんがある。正確には、あった。 その内容は・・・ とある学園の体育祭の話。その体育祭では、毎年恒例である応援部主催の応援バトルが、体育祭一番の盛り上がりを見せるイベントとなっている。応援バトルの内容は、…

マイルストーン

俺は、ダーティーハリーが好きだ。いや、こう言うと誤解されるかもしれないが、44マグナムぶっ放しだとか、バスジャックのシーンなんかにグッときてるわけじゃないぜ。ダーティーハリーっていうと、どうもデカい拳銃の方ばかり注目されちまっていけねえや。…

続・顔

街ですれ違う人、人、人。おい、あんた。あんたが向かう先、俺と逆。一体どこに行こうってのさ。教えてくれよ。 そのすれ違う顔から、俺が今までの人生で会ってきた顔をあぶり出す。 取り引き先の彼、息子の友達の親、アイツ、高校時代の教師、あの時飲んだ…

今夜、ハードロック・カフェにて

「後輩君、今年のフジロックのメンツ、どうよ?」 「まあ、我々オールドスクールなニューウェーブ・ファンが注目するところは・・・」 「当然、THE CUREだろ」 「ですよね」 「問題は、CUREが何曜日のトリかって事だ」 「あー。日曜じゃないですか?土曜日は…

ウーマックの落し物

ああ、わかっちゃいるさ。全て俺がぶち壊したんだ。海外ドラマ中毒の俺は、ミオの事を全く構ってやれなかった。最初は一緒に見てたんだぜ、海外ドラマ。だけどアイツはいつだって、「今のどういう意味?」だとか、「この人が犯人かな?」だとか、俺が一番嫌…

今夜、ハードロック・カフェにて

「なぁ、後輩君」 「なんすか?」 「最近さあ、電子マネーって普及してきてるじゃない。あれ実際、どうなの?」 「わたし、当然使ってますよ。お釣りでもらう小銭とか、結局使わないでしまい失くしたりするじゃないですか。それが無くなったので、その分節約…

憎いアイツ

私はアイツが嫌いだ。幼少の頃からずっと嫌いだ。成長とともにたくさんの嫌いなものを克服してきたが、アイツだけはどうにも食えない憎い奴だ。 今日も食卓にアイツが来ると、息子達が声を揃えて私にプレッシャーをかける。 「何でも好き嫌い無く食べましょ…

ナムパ

最近、街でもすっかり見なくなったな、ナンパ。もはや死語&死文化なんじゃないだろうか、ナンパは。かつては、「お2人は、ナンパがきっかけでゴールイン!」なんて結婚式にも出くわしたし、大阪にはナンパ橋っていうそのものズバリの名前の橋(正確には、戎…

ワタリさんの事

なぜか最近、頻繁にあの人の事を思い出すので、書いておく事にする。 ワタリさんだ。ワタリさんと共に働いていたのは、今から15年くらい前の事だ。ワタリさんは、無口で職人肌の渋いオッサンだった。頼み事をすれば、なんでも二つ返事で引き受けてくれる人で…

突然ブレイドの如く

通勤時、車を運転していると、目に飛び込む朝日がやたら眩しい。改めて自分が毎日、東へ東へと向かって運転している事を思い知る。我が両眼は、ずっとずっと危険な状態に晒されていたのだ。マズイぞ。早速、目を防御するサングラスを買いに行った。 サングラ…

クリスマスと正月と

久しぶりの更新だ。書きたい事はたくさんあるってのに、なかなか気が乗らないでいる。大丈夫、元気でやってます。 クリスマス。いつものクリスマス。家族でパーティー。俺はサンタのコスプレをして、ジェームス・ブラウンのクリスマス・アルバムを大音量で流…

今夜、ハードロックカフェにて

「先輩、ハードロック来るの久しぶりですね」 「まあな。俺も色々と考える事があってな」 「先輩がですか?」 「いいか、これ誰にも言うなよ。実は俺さ、起業しようかと思ってるんだよ」 「ええ?先輩がですか?」 「そうだ」 「何やるんですか?まさか、以…

MJ

取り引き先の方から、食事に誘われる。 「〇〇さん、絶対、喜ぶと思います」 「はあ」 「実は、マイケル・ジャクソンが来日した時に訪れた店なんですよ」 「え!行きたい、行きたい!連れてって、連れてって!」 「もう、期待通りのリアクション、ありがとう…

今夜、ハードロック・カフェにて

「実はさ、俺さ」 「何ですか?」 「やっぱいいや」 「なんすか?もったいぶらないで言ってくださいよ」 「あ〜、実はさ、今、映画の脚本書いてるんだよ」 「え?先輩が?」 「ああ。」 「どんな話ですか?」 「聞きたい?」 「聞きたい、聞きたい!」 「誰…

訪韓の記録

仕事で韓国に。 通算3回目の訪韓(全て仕事絡み)になるのだが、過去の訪韓の記憶があまり無い。 あ、最初に行った時の記事、これか。あんまり覚えてないな。 2度目に行った時の事も覚えてないし、記事にも起こしていない。なんだかんだでブログって、書いて…

ラーメンコミック・改

今日もいつもと変わらない日常。 突然炎の如く、一通のメールがメールボックスを揺らす。 拝啓 突然のメール大変失礼致します。 私は、◯◯テレビのディレクターの◯◯と申します。 この度、貴方が8月7日付けのブログに書かれた「ラーメンコミック」というタイト…

ラーメンコミック

ラーメン屋に入る。 注文を終えると、部下がふらりと席をたち、マンガを持って帰ってきた。そのマンガがとにかく汚いのなんの。 「おい、メシ前にそんな汚いマンガ持ってくるなよ。食欲が失せちまうだろ」 「課長、知らないんすか。これ、キングダムですよ」…

ハイウェイ16・1

飛ばすぜハイウェイ 爆音で くるりのロックンロールを流す 前方に 競争馬を積んだトラックが 何台も何台も連なって走ってる 競争馬を積んだトラックと競争 考えただけで心が躍る アクセルを思いっきり踏み込んで 抜かすぜハイウェイ 抜かす 抜かす 抜かす 次…

アゲ

ある朝の食卓。 息子「あ〜サマースクールとかウザいわ。なんで夏休みにまで学校行かなきゃなんねーんだよ」 俺「あ〜会社ウザいわ。ガキ共の夏休みが羨ましいわ」 息子&俺「はあ〜」 その時、いつものようにつけっぱなし&選曲任せっぱなしにしていたiTunes…

今夜、ハードロックカフェにて

「やっぱり今年は有給出てないみたいだけど、行かないの?フジロック?」 「今年は行きません」 「なんで?去年、子供が無料のうちは行き倒す!って宣言してたじゃん」 「あ〜。撤回します」 「ポリシー無えなぁ」 「先輩に言われたかないですよ」 「ん?俺…

拝啓 ジョン・マクレーン

ダンディになりたい。今の所、なれてないぞ。 ダンディなオッサンは、独特のオーラを纏っている。恐らく、裏で物凄く努力してる。シャツからのぞく腕の筋肉、ジムに行って身体を鍛えているんだろうなあ。浅黒く焼けた肌、日焼けサロン行って焼いてるんだろう…

ミス・ユー・マッチ

「ちょっとつきあえよ」 無口な父が俺を誘ってきた。 父の愛車の白い皮張りシートに座る。綺麗好きの父。休日になると、いつも愛車を丹念に隅々まで手入れしている。自他共に認める雑な性格の俺は、正直、あまり父の車には乗りたくない。過度の緊張を強いら…

あの頃、京都祇園にて。 友人のお母さんがママさんをしていた祇園のラウンジで、ボーイのアルバイトをしていた。 当時、付き合い始めたばかりのガールフレンドがいて、誕生日に花を贈る事にした。花の知識ゼロで、女子に何の花を贈ったらいいのかさっぱりわ…

911

全くとんだ所にバイトにきちまったもんだ。 派手なスーツにサングラス、テカテカに固めたオールバック、足元は白い革靴。そんないかにもな出で立ちでキメたコワモテの怪しいオッさん。フロントにふらっと現れて、黙って俺に手の平を差し出してきた。 「お客…