ジムでペダルをこいでいた。
でもこの自転車は 走らないんだ。
景色は 変わらないんだ。
だから僕は 目を閉じて 想像したんだ。
芸姑さんを横目で見ながら、花見小路通りを走る俺。
板橋区ブルートレイン東武東上線と競争しながら、大山商店街へと突入する俺。
皮ジャンのエリをたてて白い息をはきながら、深夜の環七通りを走る俺。
三高生と目をあわさないように、出逢い坂を下る俺。
タイの田舎街をボロボロの自転車で走る俺。
はじめてのマウンテンバイクの景色。
はじめてのドロップハンドルの景色。
ツールドフランスを走る景色。
気がついたらペダルを踏むのを忘れていたよ。