昔、教師になるのが夢だった。
それは、熱中時代だとかスティングだとかブライアン・フェリーだとか「僕の好きな先生」だとかの影響であって、
けっして純粋な理由からではなく、そこには情熱のカケラもなかった。
だから俺は教師にはなれなかったのさ。

大学時代、一般教養の単位稼ぎで「映画論」って講義をとってたんだけど、
その教授がいい教授だったな。名前忘れちまったけど。
ハナから学生をナメてて、期待してなくて、でもユーモアがあって、少しばかりの愛があった。
その講義からは、「俺の映画論なんてボーッと聞いてるヒマがあったら、自分で映画でも撮ってみろよ」というメッセージ臭がプンプンしてた。
ある日、映画のタイトルが羅列してあるリストを渡され、
リストの中から好きな映画を選んでレポートを書けば単位をやると言われた。
俺が選んだ映画は「イージーライダー」だった。
縦書きで書かなくてはいけないのに、俺は横書きで書いていた。
なんか「俺は他のヤツラとは違うんだ」って意図でやった訳じゃないけど、レポートの内容も手伝って教授にはそうとられたみたいだった。
評価はAだった。うれしくってみんなに自慢したら、提出した友達全員がAだった。

掃除をしていたらそのレポートがでてきたので、そんなことを思い出していた。
俺もいつかあの教授のような存在になりたい。