酒場でカンダ

粋で無口なオヤジが串ひっくり返してる店で、「オヤジ、日本酒、カンして」って頼むのがガキの頃からのささやかな夢だった。
なんかオトナっぽい世界だよね。「カン」って響きに発語の快感とオトナの言語感を覚えてた。
でも、日本酒はヒヤで飲むのが通であり、カンするヤツは甘いヤツってことに気づきはじめた。
でも「ヒヤ」ってのはなんとも情けない響きでどうしても使いたくない。
しょうがないから俺は、八代亜紀チックに「ぬるめのカンで」なんて使いはじめた。
「あぶったイカもね・・・」なんて、オヤジに聞こえるか聞こえないかぐらいのギリギリの声でつぶやいている。
オヤジがニヤっと笑う。
酒のオーダーで思い出したけど、
昔バーでアルバイトしてた時、「2フィンガ−ね」だとか、「ストレート・ノー・チェイサーね」だとか、「レディ・キラーね」だとか
本気で真顔で我が人生一点の曇りも無し顔で注文する客がいることに驚いた。
あと、とってもとっても可愛い子に、「セックス・オン・ザ・ビーチ」なんて頼まれるのも、ドキドキしてしまいます。
ハッキリと注文されても、少し恥ずかしそうに注文されても、どっちでもとてもとてもドキドキしてしまいます。
そんな時はなぜか決まって、AOR歌手クリス・レアの曲「オン・ザ・ビーチ」の、あのつまびくようなギター・リフが、俺の心の中で鳴り響く。鳴り止まない。
話がそれた。カンの話だったね。
今夜は感冒漢方薬を飲んだら感覚が乾燥して勘違いと感動が入り混じった感情で
完走の感想が簡単で監督がカンカンだ。感じてる?考えてる?完