ルー

友人から連絡入る。
フジロック初日からの参戦を告げられる。
常識的なサラリーマンとして土・日参戦と決め付けていた俺は、
いきなり手加減なしの平手打ちをくらわされたように、ふっとんで向き直って立ち尽くすしかなかった。
「ロック・フェスに行く」ってことの心構えを、あらためて考えさせられたよ。
甘かった。俺が行くのは、研修旅行でも出張でもなくて、ロックフェスなんだな。
確かに、初日の最後にすました顔で居座ってやがるルー・リードって男がやたら気になっていたんだ。
だってルー・リードに夏は似合わないだろ。
だってルー・リードにフェスは似合わないだろ。
ずっと好きだったルー・リード
目障りなルー・リード
なんでいるんだよ、ルー・リード
憎たらしいルー・リード
尊敬するルー・リード
でも、俺はきっとルー・リードに会いに行く。と確信していた。
ルー・リードの震えた声にあわせて、音程の外れた歌を震えて歌ったりしてしまうんだろう。
歌詞なんてサビしかしらねぇから、テキトーにナンタラカンタラ歌っちまうんだろう。
いや、スウィートジェーンもロックンロールもサテライト・オブ・ラブもワイルドサイドを歩けも、
全て完璧に歌詞を暗記してるんだ。忘れるはずがないだろ。
俺はルー・リードに会いに行く。