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ジョージの店まで

自分の車を持っているせいか「タクシーに乗るチャンス」ってやつは、
年に数回程度、ほんの片手で数えるぐらいしかなくなっちまった。
じつは俺には、そんなレアなチャンス時に必ず聞く質問があるんだ。

本当は、「今日の巨人は勝ちましたか?」だとか、
「最近の飲み屋さんの景気はどうですか?」だとか、
本当にどうでもいい、ただ気まずい空気を緩和するための目的でしかない空虚な質問を繰り返すのが
「タクシーに乗る時のオトナのルール」ってやつなんだろうけれど、
俺はそんなルールはハナから守るつもりはない。
「運転手さん、好きな映画を教えてくれますか」
たいていの運転手は面食らって、「いやー、映画とかあまりみないんですよねー」
とか「釣りバカかなー(あいまいに)」って答えるヤツが多い。
もうけっこうな年数タクシーに乗っているけど、俺の期待する答えは、まだ引き出せないでいるよ。
期待の答えが返ってきたその後には、
「やっぱり夜眠れないからこの職業を選んだんですか?」
って質問が待機してるってのに。