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上路

一時期、ビートニクスに感化されていたのさ。
なんだかしらないけれど盛り上がったよね、ビートニクス。
きっと70年代にビートニクスの影響を直接浴びた連中が雑誌やメディアの供給側に成長して、
「いっちょビートニクスの特集でもやるか」「なつかしー!」ってな具合に盛り上げたのだろう。
幼稚な俺はそんなキャッチーなムーブメントとかいうやつにまんまとのせられちまったってわけだ。
思えば、ヌーベルバーグだとか、アメリカンニューシネマだとか、新しきソウルの光と道だとか、ブコウスキーだとか、時代は変わるだとか、
そんなものに結構な時間踊らされ続けてきたわけで、いい加減、足がもつれてこんがらがってきちまったよ。
ま、話をビートに戻そう。
俺は夜な夜な灯した蝋燭の炎の下、ギンズバーグバロウズやケルワッークなどの本を読み漁り、
(実はそのほとんどがさっぱり意味不明のシロモノだったが、僕は必死で"わかっている顔"を装っていた。本当に必死に・・・)
薄暗いバーで、
「明日、旅に出るんだ」
「どこへ?」
「さあね」
なんて会話を何度も何度も繰り返していた。
本当は旅に出るつもりなんて1ミクロンもないくせに。

バロウズの発明した手法でカットアップというものがある。
ある文章をバラバラに切り刻み、それを書いた札を無造作に並べ、一枚づつめくって小説を完成させるという斬新な技法だ。
昨日書いた短編のオチがどうしてもしっくりこないので、このカットアップを使って完成させることにする。