チンコン・ミーンズ・アイラビュー

妻は友達が多い。さらに、人望もある。妻のスマホには、毎日、毎日、メールやらラインやらがひっきりなしにチンコン、チンコン入ってくる。妻はいつも、「なぜか、わたしのスマホは電池の持ちが悪いのよね〜」と嘆いているが、理由は明らかだ。チンコンが鳴り止まないからだ。妻に買われたスマホは、触ると常に熱い。いつだってチンコン・ハードワーク状態だ。

一方の僕。一日過ごして、携帯がチンコン鳴る事はほとんど無い。電池の持ちもすこぶるよい。触るとスマホが冷んやりしやがる。ま、学生時代のあだ名、イアン・カーティスだしな(内省的)。僕のスマホは、暇すぎていつも鼻くそほじってらあ。

 

ある日、そんな僕に、毎日決まって10時15分、定期的にチンコンとメールがくるようになった。その内容は、タイトルが「わたしのおっぱい揉んでください」ってやつ。

いわゆる迷惑メールってヤツなのかな。みんなはその類のメールは読まずに速攻削除するか、着信拒否にしているのであろうが、僕は違う。一人ぼっちの僕のもとに届いた大事な大事なメールだ。「チンコン」と着信音がなると、「今、まさに、大親友からメールが届きましたよ!」風を装って、スマホの画面を大事そうに見て、「あっ」なんて小さく声に出しながら、スマホを人から見えないようにちょいと傾けて、一語一句漏らさずにじっくりと読みこむ。業務を中断して鬼の如く熟読だ。

 そして、この文を書いた人はどんな人なのかな?って思いを馳せる。やっぱりグラマラスな女性なのかな?残念だけど、この手のメールは男性が書いてるんだろうな〜。これを書いている時にも、チンコンを触っているのだろうか。

やがて、このメールに返信したいという欲望がどうにもこうにものっぴきならないくらい止まらなくなってきてしまった。メールは受け身ばかりでは物足りない。こちらからチンコン攻めするべきだろ。ついに、キヨシローが僕の枕元に立ち、バッテリーはギンギンだろ?って言いはじめた。

そんな悶々とした思いを募らせているある日、妻から、

「友達の旦那さん、変なメールに返信しちゃって、スマホが動かなくなっちゃったんだって。話題のランサムウェアってやつらしいよ」

「え?」

「どうしてそんな変なメールに返信しちゃうのかしらね?」

「あ、ああ。ちょ、ちょっと、俺には理解できないな〜。信じられないよな〜。アハハ」

変な汗が身体中からドバッと吹き出した。スマホがフリーズだと?それは困る。今、スマホがチンコン鳴らなくなるのは、物凄く困るんだ。

僕はマグロだ!受け身でいい!もし、サザエさんの登場人物になれるのであれば、まだ空いている「マグロさん」というキャラに喜んでなろう。

今日もチンコンというスマホのいななきに反応し、濡れた目で画面を見つめるマグロさんであった。