朝のルーティン

「行ってきます」と聞こえごち、スッと着座し、着座の勢いと共に、伸ばした手でドアを引き込んでバタンと閉める。

ドアを閉めた手でキーを回し、エンジンを起動。アクセルを踏むと車が動き出す。この時、カーステから音楽が放たれる。僕は強制的にこの音楽を聴く。いや、聴く事になる。

 

 あと何日、勤務するのであろうか。あと何日、こうして車で出勤するのであろうか。あと何曲、朝8時に車内で音楽が聴けるのか。

 

今は、ディジー・ガレスピーのワルツ・フォー・デビイのCDが突っ込みっぱなしになっている。ちょっとした朝のルーティンだ。やっぱりiPodなんかよりずっといい。エンジン起動と同時に音が襲いかかってくる。曲を選んだりする時間が必要無いって事は、重要な事なんだ。年末くらいから、ずっとずっとこのワルツ・フォー・デビイの優しいピアノのイントロを強制的に聴かされている。そのせいか、心は割と穏やかだ。あと何曲、聴けるのか。

 

学生時代のバイト先。なぜかいつも渡辺美里のマイ・レボリューションがかかっていて、それを強制的に聴かされていた。あの時の苦痛ったら、なかったぜ!

 

仕事って闘いだよな。出勤って出陣だよな。ワルツ・フォー・デビイはむしろ、休日の午後に暖かい部屋でリラックスしてコーヒー飲んでる時に聴く音楽なんじゃねぇの。だから、朝に強制的に聴く音楽をそろそろ変えようと思う。あと何曲、聴けるのか。

 

飽きがこなくて、モードを変えるパワーを持ったイントロの曲・・・。本当に月並みな選曲だけど、もしかしたら俺もつまんねぇ大人になっちまったのかもしれねぇけど、ディランのライク・ア・ローリングストーンに変えた。君は僕を笑うかな。渡辺美里は僕を笑うかな。あと何回、聴けるのか。

 

Like a Rolling Stone

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