通信制限の果てに

ようやく厄が明けた。スマホ通信制限である。自分が情弱なだけなのか、毎月末にはだいたい「制限かけまっせ」といったメッセージが僕のもとに届く。今回は、月中にきやがった。いつもより早いじゃないか。早すぎるぞ。

 

普段、PCを開く事が無くなった。このブログもスマホに打ってスマホであげている。通信制限がくると、せっかく書いた文章の保存もロクにできやしない。

 

仕方なく、トム・ウェイツの如く思いついた事を破ったメモ帳などに殴り書いて、その紙をクシャクシャに丸めてジャケットのポケットに押し込んでおいた。

 

ある日、出勤しようとジャケットを羽織りポケットの中を弄ると、中に何も無い。カミさんが捨てちまったか?

え?ポケットには絶対に触る事は無いし、紙も捨てないよ。これは正しいと思う。彼女は絶対にそんな事をする人ではない。となると・・・どこかで落っことしちまったかな。

 

 

クシャクシャに丸めたファミレスのキッチンナプキンに、青いインクでびっしりと何か書いてある。何だろう?なぜか興味を惹かれて、いつもは捨てちゃうんだけど、開いて見てみた。そこには、強い筆圧の角張った字体で、朝のルーティンだとか、ディジー・ガレスピーだとかいう文字が縦横無尽に書いてあり、ワルツ・フォー・デビーのデビーの部分が2重線で消されてデビイに書き直されていた。笑える。私もワルツ・フォー・デビイは好き。この人きっと、朝のルーティンでデビイを聴いているんだろうな。でも、あれはビル・エヴァンスだから、ガレスピーじゃないぞ。この人、あんまりジャズ詳しくないのかもしれないな。でも、私の店に来るって事は、きっとレコードに針を落としてる類の人なのだろう。でも、マイレボリューションって何だろう?いろいろ推理すると楽しい。一体、どんな人なんだろうな。

 

帰宅して、無造作に立て掛けて置いてある大量のレコード群からビル・エヴァンスのワルツ・フォー・デビイを探したけれど、見つからない。あれ?どこに置いたかしら?仕方なくポートレイト・イン・ジャズをセットする。私もエヴァンスを、朝のルーティンにしようかな。拾ったキッチンナプキンをピンで壁に留めてみた。マイレボリューション、そう口に出して呟いてみた。何かが変わるかもしれない。そう願いながら。

 

Waltz for Debby

Waltz for Debby

  • provided courtesy of iTunes