真田ラブ

「この度、御社の担当になりました、真田と申します」

「へ〜。真田さんっていうんだ。出身は?」

「長野です」

「え?もしかして、末裔?」

「あ、よく言われるんですけど、全然関係無いんです」

嘘だな。わかるぜ。なぜ隠す。

「じゃあ、デュークの方?」

「いや、そっちも違います。確か本名、下澤さんでしたよね」

この女、できる。

「よく知ってるね」

「ウフ。私の名刺の下の名前見て下さい。里美って言うんです。だからなんだかデュークが他人じゃない気がして。もっとも手塚さんのサトは、理科の理なんですけど」

真田の里は美しいか・・・。この名前にこめられた思い。遠く九度山に思いを馳せるだけで、切ない気持ちがこみ上げる。信之ではなくて、信繁系の末裔なのかな。

「結婚して下さい」

「え!?」

「これ、私の名刺。私、後藤です。後藤基次の末裔なんです」

「え?本当ですか?」

「はい、間違いないです。裏付けとなる根拠は無いですが」

「・・・ゴメンなさい」

 

コンビニで、山賊オニギリを買う。

「232円です」

「あ、2円あります」

「ウフ。いつもこのオニギリですよね」

「え?」

「なんか、ワイルドですよね」

女子高生?いつも気にしてなかったけど、よくよく見たらカワイイな。

「あ。やっぱ2円無いから、1万円でいいかな」

「ウフフ」

名札をチラリと見ると、サナダ(新人)と書いてある。

「結婚して下さい」