今夜、ハードロックカフェにて

「やっぱり今年は有給出てないみたいだけど、行かないの?フジロック?」

「今年は行きません」

「なんで?去年、子供が無料のうちは行き倒す!って宣言してたじゃん」

「あ〜。撤回します」

「ポリシー無えなぁ」

「先輩に言われたかないですよ」

「ん?俺はポリシーあるよ。彼女を作らない。親と同居を続ける。健康に気をつかわない」

「全部、ダメ人間の終着駅じゃないですか」

「失礼な。苦行だよ、苦行。敢えて苦難の道を行くという覚悟の表れだよ。修行僧が、燃える炎の上を歩くのと一緒だから」

「ヌル〜い炎ですね」

「んで、なんで今年は行かないの?」

「金曜日のメンツです。やっぱりメンツなんすよ。フジロックの雰囲気を楽しみたいとか、嘘でした。行くと、なんだかんだでストレスが溜まるんですよ。そのストレスを、好きなアーティストのライブでぶっ飛ばし、浄化する。俺のフェスに対する姿勢って、そんな感覚だったんですよ」

「それ、なんかの流れに似てるね。あ!サウナ!」

「まさに!サウナですわ」

「じゃあ、今年は家族でサウナに行けば解決だね」

「え?」

「サウナルームで有線のチャンネル選択できる店、知ってるよ。あれで、ロック流せばいいじゃん」

「いや、そういうわけでは・・・」

「あ!エスニック系の料理出してるサウナも知ってるぞ。フェス飯みたいなやつ」

「いや、別に食いたくないです」

「そういえば俺さあ、サウナに行くと、なぜか唐揚げ食いたくなるんだよね〜」

「あ、自分もです」

「あ、ハイネケン出してるサウナもあるぞ」

「いや、ハイネケン飲みに行くわけじゃないですから」

「良かったなあ。今年の夏、家族で行く所、見っかったな」

「なんで、俺のフェスはサウナだったみたいな流れになってるんすか!」

「あ!ゼア・イズ・ア・ライト・ザット・ネバー・ゴーズ・アウトかかった!」

「っていつの間にリクエストしてたんすか!・・・来るんですよね」

「そう。来るんだよ。確か土曜日のグリーンステージだよな。・・・一緒に行っちゃう?」

「先輩とすか?2人でですか?」

「うん。苗場でジョニー・マーが奏でるアルペジオ、聴きたくないか」

「・・・やっぱ、サウナにしますわ」

「サウナ行くか」